発達障害って本当はなに?診断基準は?どのようなところが難しいの?

発達障害という言葉がよく聞かれるようになってきましたが、
実際には、どのような基準で発達障害と判断されるのか?
難しいと思われる部分はどのようなところなのかを順番に説明していきます。

  1. 発達障害とは?

  2. 自閉スペクトラム症(ASD)の診断基準は?

  3. どのようなことが難しいの?

1.発達障害とは?

発達障害をDSM-5(アメリカ精神医学会が出している診断基準)では、

 

自閉スペクトラム症(ASD)
ADHD(注意欠如・多動症)
学習障害(限局性学習症、LD)
発達性協調運動障害
知的障害(知的能力障害)
コミュニケーション障害
チック症

などを含めて発達障害と呼よんでいます。

ですが実際に発達障害と言うと、「雰囲気が読めない人」と同義語的に「自閉スペクトラム症」のみを指している場合も多いと思います。

また、少し前は広般性発達障害と呼ばれていましたが、DSMー5の名称変更により、
自閉スペクトラム症(ASD)と呼ばれることが多くなっています。

2.自閉スペクトラム症(ASD)の診断基準は?

◆ASDの診断基準としては、

①複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的欠陥があること
②行動、興味、または活動の限定された反復的な様式が2つ以上あること
(情動的、反復的な身体の運動や会話、固執やこだわり、極めて限定され執着する興味、感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ など)

③発達早期から1,2の症状が存在していること
④発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
⑤これらの障害が、知的能力障害(知的障害)や全般性発達遅延ではうまく説明されないこと

(稲垣真澄、加賀佳美.ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群について. e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-005.html  厚生労働省. (2020))

というのが診断基準です。つまりは、①、②の症状が主になります。
そして、社会に出ていくとき他者との関係性において、コミュニケーションの「対人相互性」の問題と言うのが大きく影響してきます。

次にその点について、説明します。

3.どのようなことが難しいの?

相互性というのはどういうこと?と思われると思いますが、私たちは相手の声のトーンや口調、話すときの表情など、いろいろなものを見て感じ返答をします。
いわゆる相手がどう反応するかで反応を変えている訳です。
その相手の反応を読みとり、それに応じた反応をする。そうすることに困難さがあるということです。

ですから、ASDのお子さんには、表情やニュアンスで分かってもらおうということが比較的難しいと言われています。

そのため、ASDのお子さんに対しては

具体的に言語表現で伝える。
誤解を与えるような抽象的表現をとらないなど。
なるべく誤解を生まないコミュニケーションがいいわけですね。

たまに、親御さんの中には、具体的に伝えているばかりでは、一般的なコミュニケーションがとれなくなるのではと不安になってしまう方もいらっしゃると思います。
だからあえて一般的な話し方をしているという親御さんにも出会ったことがあります。

ただ、それは本人にとって、酷というものです。英語が分からないのに英語で無理矢理話しかけているようなものなのです。

しかし、永遠に分からないままというわけではありません。英語だって文法や語彙を覚えていけば理解できるようになります。

ASDのお子さんだって、理解の仕方を伝えていって覚えてもらえば少しは理解できるようになります。
そのために、コミュニケーションの練習や理解の仕方を訓練していくのです。

根本的な特性の変化は難しくても、特性を持ちながらもその子に合った社会に適応する方法を身につけ、
一緒に歩んでいく、それが当塾で行っていることなのです。

 

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